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現役薬剤師が本音で語る!『知っ得』健康マル秘情報 五臓六腑について
自分の体の弱点知ってますか? 薬の飲み方間違ってませんか? 健康食品の選び方それで合ってますか? 西洋・東洋医学の観点から健康についてお話します。

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* 目次 *

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心包と三焦

 心包も三焦も形はなく働きだけがある臓腑。

心包は臣使の官、喜楽を出(イ)づ。
 「臣使」とは君主である心の護衛を行い、心に代わって邪を受け止める働きがあります。また心の命令を執行します。
 また心包は脳や中枢神経と深い関係があり、喜怒哀楽を発露します。
心包
 心包の働きが弱まるとうわごと、牙関緊急(ガカンキンキュウ)(歯をくいしばった状態のこと)などが出現します。  
 心は君主であるため、邪を容易に寄せ付けてはなりません。もし、病邪が心に侵入した場合は死を意味します。よって、心の病症が見られても全てが心包で起こっており、心に異常が起こっているとはいえません。


三焦は決讀の官、水道を出づ。
 三焦とは、消化吸収によって気・血・津液をつくり、栄養分とともに全身に巡らせる一連の機能のことです。つまり、五臓でつくられた気・血・津液を全身に巡らせる働きがあります。その作用は主に体温調節・気血津液調節・輸瀉作用の3つに区別されます。 
 また三焦は水液の通路として水分代謝も行います。
 「三焦」は上焦・中焦・下焦の3つに分類されます。
上焦
 横隔膜より上の機能。胸部(心・肺)を指します。  
 飲食物からつくられた気を肺の宣発・粛降作用と心の推動作用によって全身に巡らせ、皮膚を潤し、体毛に栄養を与え、発汗などにより体温調節を行います。
 
上焦が衰えると・・・  
・虚寒の症状;精神不安、音声障害、嘔吐、胸痛、呼吸促進、発声しにくい、等  
・実熱の症状;口渇、自汗(いつも汗がでて、動くとさらにひどくなる)、浮腫、  
          舌乾、頭部発汗、目が充血し腫れる、胸がつかえる、等
中焦
 横隔膜から臍までの機能。上腹部(脾・胃)を指します。
 飲食物を胃の受納・腐熟(消化)作用によって消化と津液の生成を行い、脾の運化作用によって肺に運ばれ、血と精気を全身に巡らせます。  
 
中焦が衰えると・・・  
 ・虚寒の症状;下痢、腸鳴、冷え、浮腫、消化不良、腹痛、等  
 ・実熱の症状;腹部膨張、吐かず下らず、心下部に熱感、味覚障害、等
下焦
 臍から下の機能。下腹部(肝・腎・膀胱・腸)を指します。  
 水液の清濁、大小便の排泄が行われ、不要になった水液は膀胱に運ばれます。全ての過程は腎の気化作用によって調節されています。  
 
下焦が衰えると・・・  
 ・虚寒の症状;水性下痢、残尿感、冷えによる下腹部痛、体のだるさ、等  
 ・実熱の症状;便秘、血便、急性の下痢、尿量少ない、等 
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五臓 五腑 五主 五官 五志 五色 五味 五季 五悪
肝は将軍の官、謀慮(ボウリョ)をこれより出(イ)ず。
 「謀慮」とは思慮と同じ意味で、肝は精神活動と深い関係があることを指しています。
 「肝」という字をよく見ると、「肉月」と「干」からできていますね。「干」の語源は2つあります。
1.盾:危害を与えるものを防ぎ止める  
2.幹:支(シ)に相対するもので、大きく重要なもの  
 つまり、肝は身体の中核を為す重要な器官で、危害を防止する役割を持つものなのです。このことから将軍といわれます。
肝は罷極(ヒキョク)の本(モト)。
 「罷」とは「疲」のこと。つまり、身体の疲労は肝が根源で、肝の働きが良ければ疲れがたまることはありません。  
 実際に、肝臓病の主訴は「きつい・だるい・しんどい」などの疲労感であることが多いです。
肝は(1)疏泄(ソセツ)を主る。 (2)血を蔵す。
(1)疏泄を主る
 「疏」とはバラバラにする、引き離すという意味。「泄」とは処理排泄のこと。つまり、「疏泄」とは気血の鬱積をバラバラにしてその流れをスムーズにし、全身に巡らせることです。この働きは消化運動(肝には胆汁の分泌を良くする作用もあるため)を促進することや、精神的にものびのびとした状態を保つことも含まれます。気が滞るとイライラし、血が滞るとうっ血し、痔や子宮筋腫になったりします。
 「疏泄作用」が弱まれば、気血が鬱積し、抑鬱状態になったり、胃もたれ・膨満感などの症状が現れます。
(2)血を蔵す
 肝は血液を貯蔵し、全身の血液量を調節します。また「肝は血の舎なり」というように睡眠時には血液は肝に収まらなければなりません。
 肝が充分な血液量を貯蔵できなければ身体の各所は血液不足となり、その症状は特に「目・筋肉・子宮」などに顕著に現れます。さらにその状態が長期続くと、毛髪につやが無くなり、枝毛が多くなり、爪がもろくなったりします。
胆は中正の官、決断を主る。
 胆は六腑の首で肝に付着し、肝と表裏をなしています。そのため肝が謀慮をめぐらすのに対し、胆は決断するという相補関係を持っています。  
 また胆は古くは膽と書き、「身体の中心に位置し、重心となり、不偏不倚(イ:よりかかる)である」という意味があります。このことから中正といわれます。
【参考】
 ”胆力”という言葉がありますが、意味は物事にたやすく驚いたりあわてたりせず、ずっしりと落ち着いていることをいいます。
 このように胆は「肝っ玉」として一般的にもよく使われます。
胆は胆汁を貯蔵し、排泄する。
 胆に貯蔵されている胆汁は肝の精気の余りで「肝の余気」ともいわれます。胆汁の生成と排泄分泌は肝の疏泄作用と大きく関係し、肝の疏泄作用が失調すると、胆汁の排泄にも影響が及び、消化運動が落ち、膨満感・食欲不振・泥状便などの症状がでます。また胆汁が上がってくると口苦・嘔吐がおこります。
肝は筋を生ず。
 全身の(筋と肉は違います。肉は脾により生じます)・腱・関節を動かす働きは肝の気によって行われています。筋の疲労は肝の疲労なのです。  
 筋肉が引きつった状態や小刻みに震える状態は肝の弱りです。
肝は目に開窮(カイキョウ)する。華(カ)は爪にあり。涙は肝液である。
 肝は目・爪・涙と関係が深いです。  
 は五臓六腑すべての精気を受けていますが、主は肝です。特に視力は肝の蔵血作用に依存しています。肝の蔵血作用が低下すると、目のかすみ・目の乾燥・視力低下などが起こります。  
 は堅く紅潤で光沢があるのがよく、それには肝血の充足が必要です。「爪は筋の余たり」というように爪の変形・脆弱・色が薄くなるというのは肝の弱りです。  
 は正常状態では眼球を潤し、外へ出ることはありません。目の乾燥はもちろん、風に当たると涙がでるのは肝の弱りです。あとで説明しますが、肝は風に弱いです。風に当たると肝が弱まり、涙が出るのです。
肝は志にあって怒となす。怒は肝を傷(ヤブ)る
 肝が弱れば、怒りっぽくなり怒ることでまた一層肝を弱らせてしまう・・・という悪循環が生まれます。
 は五行でいえば木性です。木はのびのびと枝を広げていくことを好み、逆に狭いところでは育ちません。よって、上から押さえ込まれるような精神的ストレスは肝の疏泄作用を弱めてしまいます。  
 精神的ストレスにより気は滞り、気分が鬱積してきます。これによってイライラし、怒りっぽくなり、不眠多夢・ため息・落ち着かないなどの症状がでてきます。  
 カンシャク(癇癪:肝積)とか肝の高ぶりというのはこの状態のことです。
肝が弱ると青筋がでる。怒ると血の気が引いて青ざめる。  
 肝が弱ると血の流れが悪くなり、静脈が浮き出てきます。普通に怒るとまず顔は赤くなりますが、激怒すると逆に血が引き、青ざめます。
酸味のものは収斂作用により、気血や汗を必要以上に漏らさないため肝を滋養する。
 肝が弱っているときは酢の物などすっぱいものを少し取るといいのですが、摂りすぎると逆に肝を弱らせるのでほどほどに
春は肝が弱くなりやすい季節
肝は風を悪(ニク)む。
 風にあたりすぎるとと肝が弱ります。風にあたると涙が出る(迎風流泪)のは風で肝が弱り、疏泄作用が弱まり、涙が滞って流れ出るのです。

  最後に肝・胆の一言集

  • 痔の治療は肝の治療から。
  • 良い土(脾)と良い水(腎)は良い木(肝)を育てる。
  • 眠りは目の食。睡眠不足による疲労は目に表れます。
  • 堪忍袋(肝忍袋)・肝っ玉・肝の虫・・・ストレスはすべて肝に入ります。ストレスに強い身体づくりはまず肝から。  
  • 視力の低下は肝の疲れ。耳が聞こえにくくなったら腎の疲れ。
  • 右肩が凝っている人は肝が弱っています。
  • イライラストレスは肝にきます。自律神経失調症も肝からきます。
  • 肝を治すにはニコニコ笑って治すのが一番です。
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五臓 五腑 五主 五官 五志 五色 五味 五季 五悪
膀胱
腎は作強(サキョウ)の官、伎功(ギコウ)出ず。
 「作強」とは動作・工作の意味で、とは作に応じることが出来るという意味です。また「伎功」とは精巧で俊敏であるということ。つまり、腎は正常ならば精が満ち、(脳)髄や骨が充足しているので精神健全となり精巧俊敏(頭の回転が速く、切れが良い)であるばかりでなく筋骨も丈夫ということです。
 また人体の要である腰は「腎の器」といわれ足腰の強さは腎の強さで決まります。
腎は精を蔵す。生殖を主る。先天を主る。
 腎が蔵する精は腎精と呼ばれ、「先天の精」と「後天の精」から構成されています。「先天の精」は「生殖の精」ともいわれ主に人の成長・発育・生殖機能を持っています。つまり生まれつきの体質というものでしょうか。一方、「後天の精」より吸収された水穀の精微(水分・食べ物の栄養素)から化生した精で、腎に絶え間なく下注しています。
 つまり腎が持つ「先天の精」は脾などから作られる「後天の精」により絶えず充用されているのです。また先天の精から生まれる「命門(メイモン)の火」(*1)を元にして五臓六腑は活動し後天の精を作ります。そのため精は生命力の源ともいえます。

(*1)命門の火
 『命門』『生命の本源』です。命門が生む火は真火といわれ、人の陽気の元となります。人が死ぬと冷たくなるのはこの『命門の火』が消えるからです。
 また命門の陰真水といわれ、「生命の根本的物質」です。
 この真火真水が相まって、人のすべての生命活動が営まれる根本となるのです。

腎は(1)水を主る (2)納気を主る
(1)水を主る
 水液の代謝・調節には主に『脾・肺・腎』が関与していますが、その中でも特に中心的役割を果たしているのが『』です。
 水液の「代謝」には二つあり、一つは水穀の精微から得られた津液(体液水分)を全身に運輸すること。もう一つは各臓腑が利用した後の廃水を集め、体外に排出することです。
 水液の「調節」貯留と排泄を調節することです。貯留しすぎると小便不利となり浮腫を引き起こし、排泄しすぎると頻尿となり全身が枯燥してしまいます。

【参考】
 浮腫には脾水・肺水・腎水と分ける考えがあります。
 脾水手足がむくむことが多く、胃腸症状を伴います。肺水上部から全身がむくみ、悪寒発熱などを伴うことが多いです。腎水下半身から全身がむくみます。
 また浮腫には指で押して凹んだままになる虚浮パンパンに張って押しても凹まない実腫があります。

(2)納気を主る
 とは受納の意味で、肺で呼吸し吸収した清気は腎まで下がって受納され全身に役立ちます。このように清気を受納することを納気といいます。腎の納気が正常であれば、肺の気道は通調し、呼吸も均一となります。
 腎の納気が減弱すると息が吸い難くなり、ひどい場合は呼吸困難・吸気性喘息に陥ります。このような状態を腎不納気といいます。
膀胱は州都の官、津液を蔵して気化するときはよく出づ。
 膀胱は不要の廃水を尿液として貯留し、腎の気化作用を受けてそれらを排泄します。

【参考】
 気化作用とは、変化させるという意味で、体に不要な廃水を尿液に変化させて排泄し、まだ利用できるものは再吸収して全身に還元します。この変化の過程を気化作用といいます。

腎は骨を主り、髄を生ず。
 腎精が骨格の成長・発育を促し、脳や骨髄を生じ、充養します。腎精が充足していると脳の働きが良くなり、記憶も確かになります。
 腎精が虚する(腎虚)と発育不良か、老化現象が早まることになります。腎の先天の精は父母から受け継いだ生まれながらのものであるため中年以降次第に衰えます。高齢になるほど腎虚は進行します。よって歳をとると足腰が弱り、記憶力も悪くなり、耳も聞こえにくくなるのです。  
 逆にいえば、日ごろから足腰を鍛えることは、腎を強くすることになり、ひいては痴呆・骨粗鬆症・聴力減退といった老化現象にとても有効であるといえます。  
 腎を強くしていつまでも若々しくいるためにも【ウォーキング】しましょう!
華は髪にある。耳に開窮(カイキョウ)する。二陰を主る。唾は腎液である。
 毛髪の生長・脱落や潤沢かどうかは腎と密接な関係があります。『髪は血餘(ケツヨ)たり』といわれ髪の発育の根源は腎精が血に変化し充養されることにあります。  
 は腎の門で、腎が正常ならば聴覚は正常です。  
 二陰とは前陰(尿道と外生殖器)と後陰(肛門)のことです。これらの機能は腎と深い関係があります。  
 腎液のこと。唾液の中でも唾はやや粘稠です。ちなみに涎(脾液)は希薄です。高齢になると唾がでにくくなるのは腎精が弱るからです。
恐れると気が下がり、度が過ぎると気が詰まり、「腎」を損傷する。
 とても恐ろしいことがあると失禁します。これは恐れることで腎精が弱くなり、膀胱の尿液を貯蔵する働きが弱くなるからです。
腎が弱い人は顔色が黒ずんでいる。  
 透析している方の顔色を見たことがありますか?黒くくすんだ色をしています。
鹹味のものは潤しながら下す作用があり、腎の衰弱を助ける。
 腎が弱っているときはしおからい物を少し取るといいのですが、摂りすぎると逆に腎を弱らせるのでほどほどに。腎臓の悪い方は塩分控えめの食事を心がけてください。
冬は腎が弱くなりやすい季節
腎は寒を悪(ニク)む。
 寒いと腎が弱ります。身体を冷やすものを食べ過ぎないようにしましょう。例えば、生野菜・果物などです。逆に身体を温めるものは根菜やねばねばしたものです。

  最後に腎・膀胱の一言集

  • 男の役目・女の役目は腎次第。
  • 骨の弱り・白髪・抜毛・ボケは腎の弱り。
  • 腎の形は耳の形。
  • 健康で長生きの源は腎にあり。  
  • 腎の異常は耳鳴り・難聴をおこす。
  • 腎は志を司り、不足すると気力・根気がなくなり、すぐあきらめます。
  • 両肩こり・腰痛は腎の弱り。
  •  生野菜多く取りすぎていませんか?
     漬物大好きでしょう?
     夜、果物を食べていませんか?・・・
    腎が弱ってしまいます。
    ぬるぬる・黒いものは腎を強くします。・・・ゴマ、なめこ、ひじき、山芋、黒豆等
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五臓 五腑 五主 五官 五志 五色 五味 五季 五悪
大腸 皮毛
肺は華蓋(カガイ)と為す。嬌臓(キョウゾウ)なり。
 「華蓋」とは、かさ・ふたのこと。つまり、肺は五臓六腑の中で最も高い位置にあるということです。また、肺は気管・喉・鼻により外界と接し、かつ外部に抵抗し保護する機能(つまり抵抗力・免疫力)を持っています。
 また肺は最も外界の影響を受けやすく、自然界の「六淫(ロクイン)」風・寒・燥・湿・暑・火)の邪を受けて発病しやすい臓器です。そのため肺は「嬌臓」といわれます。
 「嬌」とは本来なよなよしてなまめかしいことをいいますが、この場合は華奢・弱々しいの意味合いが強いです。  
肺は相傅(ソウフ)の官、治節を出ず。百脈を朝(チョウ)す。
 「相傅(ソウフ)」とは、君主つまり心を補佐するということ。「治節」とは管理・調節の意味。
 つまり心と肺は相互に協調することにより両方の正常な生理関係を保持できるということです。また臓腑のすべての働きはこの心肺機能の相互協調が大切であるといえます。。
 「朝す」とは向かうということ。体中の全ての血管は肺に流れるということ。肺に流れ込んだ血管はガス交換(二酸化炭素を外へ出し、酸素を血管内に取り入れる。東洋医学で考えると、濁気を出し、清気取り入れる)が行われ、気の充養を得た血管がまた全身を巡ります。
肺は(1)気を主り、呼吸を司る (2)宣散(センサン)粛降(シュッコウ)を主る (3)水道を通調する
(1)気を主り、呼吸を司る
 肺が主る『気』には『呼吸の気』と『一身の気』の両面があります。
 前者は呼吸によって清気を吸い、濁気を吐くというガス交換を指します。
 後者は全身の気の生成・運輸に肺が重要な働きを持つことを指します。このことについては次の(2)にてもう少し詳しくお話しします。
 よって、肺が弱ると、呼吸機能が低下し、呼吸が浅く早くなったり、声に力がなくなったり、しゃべりたくない・倦怠感といった症状がでてきます。

【参考】
 東洋医学において『健康な状態』とは『気が全身をくまなく一定量・一定のスピードで流れている』というのが基本です。
 『気』は腎にある『先天の精』と、脾で生成される『後天の精』と肺で取り入れられる『精気』が合して生成されます。
 『気』の働きは大別して5個あり、『推動作用(動かす)』、『温煦(オンク)作用(温める)』、『防御作用』、『気化作用』、『固摂(コセツ)作用(体の外にダラダラと出るのを止める、例:脱肛を引き戻す)』です。
 また『気』の運動形式『気機』といい、升・降・出・入があります。

(2)宣散(センサン)粛降(シュッコウ)を主る
 【宣散】とは肺気が外向き・上向きに動くことで、脾胃より肺に上輸された、津液(体液・水分)・水穀の精微(食物の栄養素)を全身に運ぶことを指します。また、衛気(エキ:正気の一種で防御作用がある。つまり免疫・抵抗力のこと)を皮膚表面に巡らしての調節を行うことや、呼気によって濁気を排出するのも宣散作用によります。
 【粛降】とは肺気が降下することで、吸気により清気を吸収し、腎に納めさせたり、全身に運ばれ代謝された津液(つまり廃水)を膀胱に下降させることを指します。  
 宣散と粛降は反対方向に働きながら、互いに調節しあっています。
(3)水道を通調する
 肺が水液代謝を調節し維持することです。水液代謝とその調節には脾・肺・腎が関与しますが、特に腎が中心的役割を果たします。
 水道とはまさに水の通る道、つまり水液代謝の経路のことを指します。この働きは肺気の宣散と粛降により行われます。

【参考】
 飲水の体内での代謝は次のように考えられています。
 まず、『』に入り吸収され、『』から一方は全身に巡り、一方は脾の「昇清作用」により『肺』に上輸され、肺の「水道を通調する作用」により全身に輸送されます。そして不必要な水液と代謝された廃水が肺の「粛降作用」により、腎を通り、膀胱に下輸されます。最後には腎の「気化作用」により尿となり排泄されます。
 

大腸は糟粕の伝導を主る。
 『糟粕』とは食べ物のカスという意味。  
 小腸で分別された糟粕からもう一度身体に有用な水分などを再吸収して脾に送り、残りを糞便として肛門から排出する働きがあります。  
 つまり大腸の伝導は胃の降濁作用・肺の粛降作用・腎の気化作用と密接な関係があります。
大腸は津を主る。
 小腸より下輸された糟粕の中から有用な水分を再吸収すること。
 大便の硬さは津によります。つまり、便が大腸内に長く滞っていれば便秘になり、早く通過すれば下痢になります。
肺は皮毛に合す。鼻に開窮(カイキョウ)する。涕(テイ)は肺液である。
 『皮毛』とは皮膚の表面や汗腺、うぶ毛などを指します。それらは外邪から防御する働きがあり、肺が宣散した衛気(抵抗力・免疫力)と津液(体液水分)により温養されています。  
 は肺の門で、気体が出入りする気道であるとともに臭いを嗅ぐところです。肺気が正常ならば臭いを弁別することができます。  
 鼻水のこと。正常な涕は鼻腔を潤滑にするだけで外に流れでることはありません。
悲しむと気が消え、度が過ぎると意気消沈し、「肺」を弱らせる。
 悲しいと鼻水がでます。悲しすぎるとえずいて息ができなくなります。悲しみが続くと肺の気が弱くなり、免疫力が下がり、病気になりやすくなります。明るく楽しくしていれば病気にもなりにくい。
肺が弱い人は色白で冷え性。
辛味のものは発散や気血を巡らす作用があり肺を滋養する。肺の衰弱したときは辛味を好む。
 肺が弱っているときは人参などの辛味のものを摂ると良いのですが、辛味のものを摂りすぎると逆に肺を弱らせるのでほどほどに
秋は肺が弱くなりやすい季節
 暑い夏にしっかりと栄養を摂っていなかった場合、秋に免疫力が下がりやすくなり、風邪をひいたり、喘息の発作が出やすくなります。
肺は燥を悪(ニク)む。
 乾燥すると肺が弱ります。だからといって冷たい水の摂りすぎは肺と大腸を冷やすことになり、逆に鼻づまりになってしまいます。暖かくして秋を過ごしましょう。

  最後に肺・大腸の一言集

  • アレルギーを持っている人はまず腸から改善しましょう。
  • 風邪は鼻から入って、肺で育ちます。
  • 乾布摩擦で皮膚を刺激し、風邪を引かない免疫力をつくりましょう。
  • アレルギー体質の人は肺-大腸が弱い。色白・冷え性タイプだから、まず身体を温めることが大切。
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五臓 五腑 五主 五官 五志 五色 五味 五季 五悪
肌肉 土用 湿
脾は後天の本たり、気血生化の源たり。
 直接に生命活動を維持する物質である【精】には『先天の精』と『後天の精』があります。
 『先天の精』とは父母より譲り受けたもので、成長発育や生殖の基礎的な物質に貯蔵されます。
 『後天の精』より吸収された水分や食べ物の栄養素(水穀の精微)から得られます。  
 人体の【】は先天の精後天の精、そして肺から得る清気(空気)が合わさって生成されます。先天の精は父母から譲り受けたものであるため、補充することはできません。しかし、栄養や水分を摂って力をつけることにより補充することができます。つまり後天の精によって補充されるのです。そういうことからも気の生成過程には脾胃が重要視されます
 【】もこの気から生成されるので脾は気血生化の源といわれるのです。 
脾は(1)運化を主る (2)統血する (3)昇清を主る (4)肌肉・四肢を主る。
(1)運化を主る
 【運】とは『運輸』、【化】とは『ある物質から新しい物質を生み出す』という意味です。つまり、【運化】とは食物を運搬し消化吸収して身体に有用な物質に変える働きのことをいいます。
 また運化には『水穀の精微』と『水湿』の両面があります。前者は飲食物を消化吸収し全身に栄養を送ることで、後者は水分を吸収し、身体に必要な体液に変え全身を潤すことです。
 脾胃による運化が正常であれば消化吸収は良くなり、気血旺盛となり【元気】を生み出します。
(2)統血する
 【統】は全体を一筋にまとめることです。つまり、血を血管の中を運行させ出血しないようにする働きのことです。
 この働きが落ちることを『脾不統血』といい、皮下出血、血便、血尿、不正性器出血などを引き起こします。
(3)昇清を主る
 【昇清】とは脾が消化吸収した水分や栄養物質(精微)を全身に上昇・運搬する働きのことです。同時に脾気も上昇します。
 逆に脾気が上昇しなければ全身に十分な栄養がいかなくなりめまいやふらつき、視力・聴力の低下等が起こります。
 さらにその症状が甚だしい場合、気が落ち込み、慢性の下痢、脱肛、内臓下垂等が起こります。
(4)肌肉・四肢を主る
 【肌肉】とはまさに肌と肉のことです。ちなみに皮膚の皮は肺、肌は脾、筋肉の筋は肝、肉は脾です。
 脾胃の運化により全身に輸送された精微が肌肉に栄養を与えます。つまり、過食により増えるのは筋(肝)ではなく肉(脾)なのです。
 また同様に四肢も脾胃の運化により栄養を与えられます。四肢が重だるいのは脾の弱りです。また、四肢が体躯より太い場合も脾に異常があります。
胃は水穀の受納と腐熟を主る。
 これは『胃は食べ物を一定量貯蔵し、初期消化を行う』という意味です。  
 胃で初期消化されたものは脾で本格的に消化(運化)されます。  
 食後数時間たって全く消化されていないものを吐く場合は胃での腐熟が全くされていないと考えられます。このような胃の状態を胃寒といいます。
胃は通降を主り、降を以って和となす。
 胃気は下降するのが正常な方向で、食べ物を口→脾胃→腸へと下降させています。この働きが失調すれば食欲がなくなったり、悪心嘔吐したり、便秘になったりします。
 胃気とは胃だけの気と脾胃の気全体を指す場合があります。脾胃の気全体がなくなれば全く食べることができず、消化吸収も出来ないので、それは死を意味します。『胃気あらば即ち生き、胃気なくば即ち死す』とはこういうところからきています。
口に開窮(カイキョウ)し、その華は唇にある、涎(よだれ)は脾液である。
 口から得た食べ物は脾で消化されます。よって脾の竅(人体と外界をつなぐ穴のこと)は口です。よって、脾が健康ならば食欲もわき、味もよく判ります。口内炎は脾の弱りを考えます。  
 唇の色沢や状態は全身の気血の状態と同時に脾の状態もよく表します。  
 涎は口腔粘膜を保護し、食べ物の流れを円滑にし、嚥下と消化の助けになります。よって脾液といわれます。涎は脾が正常な状態では口外にもれることはありません。
思い煩うと脾が弱る。
 精神的ストレスはすぐに胃にきます。ひどいときには胃潰瘍になってしまいます。
胃腸が疲れている人は手の平が黄色くなる。
甘味のものは栄養補給の作用があり脾を滋養し、脾の衰弱したときは甘味を好む。
 脾が弱っているときは甘味のものを摂ると良いのですが、甘味のものを摂りすぎると肥満・糖尿病になるのでほどほどに
土用は脾が弱くなりやすい季節
 土用は季節の変わり目のことで年に4回あります。つまり、雨の続く時期のことです。このころは食欲がなくなり、体力も衰えてしまいます。
脾は燥を喜(コノ)み、湿を悪(ニク)む。胃は湿を喜み、燥を悪む。
 脾は湿潤すると機能が低下しますが、胃は「水穀の海」というように湿潤している状態がいいのです。  
 胃と脾は消化吸収に対しては一体でありながら、それぞれの気の向きや燥湿については逆です。つまり胃と脾の関係は微妙なバランスの上になりたっているのです。よって、食生活のバランスが崩れると一番影響を受けやすいのです。  
 例えば、水分を摂りすぎると胃の機能は盛んになるのですが脾は低下し、とたんに下痢をしてしまう。  
 食生活の重要性はここからもいえますね。

 今回は少し長文になりましたね。肝はもっと長文になるかもしれませんので五臓六腑の一番最後に紹介するつもりです。

 最後に脾胃の一言集

  • シワは脾の弱り。
  • 脾の弱い人は湿気や梅雨に気をつけること。
  • 甘党の人は脾が疲れています。
  • 胃腸丈夫はお肌ツルツル。
  • 左の肩こりは胃腸の弱りです。
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